麺屋 東雲 × 信州酒井製麺

和食25年の料理人が作る鯛だしラーメン

麺屋東雲が挑む“新しいラーメンの世界”

酒井博正

信州酒井製麺代表取締役社長

水口大輔

麺屋 東雲店主

長野県佐久市のラーメン店「麺屋東雲」店主・水口氏と、信州酒井製麺の対談。和食料理人として25年の経験を持つ水口氏は、その技術と発想を活かし、鯛だしを軸にした独自のラーメンを生み出してきました。高級和食の要素を取り入れながら、「ラーメンに新しい概念を投げかけたい」と挑戦を続ける麺屋東雲。その世界観を支える特注麺の開発や、製麺所とのパートナーシップの裏側とは何か。本記事では対談全文を掲載します。

店名 麺屋東雲の由来

水口

まず“東雲”という意味が“朝焼けの雲”なんですよね。
夜明け前のオレンジ色に照らされている雲なんですけども。
うちの子供の名前が「あさひ」って言いまして。

酒井

おぉ〜

水口

朝日に照らされてる雲っていう意味合いも含めて、「東雲」という名前にさせていただきました。

酒井

なるほど。

画像提供:麺屋東雲

板前としての経歴

水口

私は18から和食料理を始めまして。約8年で1度フレンチに転向して、3年で和食をやっていたときの親方に呼び戻されて。またそこから和食を続けて、合計25年ぐらいですかね。和食に携わっていて。

酒井

なるほど。

水口

佐久に移住してきたタイミングで、つるとんたんがオープンということで。
そちらで働かせていただいて、統括料理長までやらせていただいて。勉強になったなというところではあります。

酒井

そこでだから、料理もお店を運営するというところまで全て学ばれてるっていうところですよね。

水口

ブランディングだったりとか、マネージメント的なところは、つるとんたんで多く学んだかなと思っていたのと。

水口

和食のときに親方に呼び戻されたお店が手打ちそばと料理のお店だったので、お店の雰囲気づくりだったりとか、かなり勉強になりまし。

酒井

そうなんですね。

その頃すでに出店計画が?

水口

計画までは行っていないんですけれども、漠然とやりたいなお店をっていうぐらいでしたね。

水口

1番最初にやりたいなと思ってたのは古民家カフェとか。タイミングよくいいところがあればいいな、ぐらいで思っていたんですけども。

水口

上田の有名店の千鶏さんに伺ったときに、ちょっと度肝を抜かれて。

酒井

なるほど!

水口

あの佇まいというか、おもてなし方というか…
「うわ!ラーメンでこんな世界できるんだな」っていうので、そこでかなりインスパイアされて。
あの高級感の雰囲気のつくり方って、すごい真似はさせていただきました。

画像提供:麺屋東雲

板前からラーメン店主へ転身

水口

(独立するにあたり)ラーメンというのは決まっていて。
麺に携わる料理屋は結構多かったので、蕎麦だったり、うどんだったりやってたので。そんなに難しく考えていなかったというか。

酒井

うんうん。

水口

料理の基本ができていれば、多分できちゃうかなっていう、すごい安易な考えで飛び込んできた感じなんですけど。やっぱバランスの取り方とか返しと麺との相性とか、簡単ではないですけど。

画像提供:麺屋東雲

水口

自分が引き出しいっぱいある分、組み合わせることはなんとかできたかなという感じで。

酒井

なるほど。

水口

自分の経験を活かしたラーメンというので、鯛だしだったり、和だしというのを使おうかなとは思っていて。

水口

かっちり和の雰囲気過ぎないで、もうちょっと敷居を低く入りやすいカフェみたいな雰囲気。
そこでちょっと変わったラーメンがあったら面白いかなとは思っています。

画像提供:麺屋東雲

高級和食店のような味わい

水口

そう思ってもらえるのが一番嬉しいですね!それをリーズナブルな感じで…
ラーメンで言えば1000円超って言うと、高く感じるかもしれないんですけど、料理屋さんのそれと思って、「1000円ちょっとで食べれるんだ!」って思って来て頂ければ、僕としては本望かなっていう。

酒井

そうですね。

信州酒井製麺との出会い

水口

ちょうど、麺どこの使ったらいいか探していて、いろいろネットで検索したりとかしていた中で、千鶏さんが酒井製麺さん使ってるのを見て。

酒井

うんうん。

水口

ホームページを見て、「小ロットで特注麺できます」というのが1番大きくて。
そこで電話してちょっと相談した、というところから始まりですよね。

酒井

えぇ、そうですよね。
ありがとうございます。

水口

千鶏さんもそうですし、麒麟児さんもはじめやっぱりそういうネームバリューもあるし。結構、箔が付くなとは思っていて。

酒井

なるほど。

水口

ここでうちも、ちょっと恐れ多いなとは思いつつも、いろいろ相談にも乗っていただいたりとかして。

酒井

千鶏さん、麒麟児さんもそうだけど、高崎の鳴神食堂さんも…

水口

はい、ラーメンのスープが似ているんで、似たようなことをやっているところはやっぱり意識しますよね。

酒井

そういう話を聞いたので、私も実際、鳴神(食堂)さん行って食べてみて。
「あぁ なるほど!」とまた改めて水口さんが作られているラーメンと本当に世界観が似てるっていうところでしたよね。

酒井

「どんなようなタイプのスープで?」って話したときに、もうそのとき「鯛」っていうコンセプトは確かあったと思うんですよね。

水口

はい。鯛は言ってました。

酒井

そういうお話を伺っていて、スープが主役のラーメンの方向に持ってくのがいいのかなと。
ベースになるサンプルをお出しして、食感だとか、色だとか、風味だとか、そういったところから詰めた感じですよね。

水口

そうですね。

酒井

麺があまりにね、際立つすぎて邪魔してもいけない。どのようにして引き立たせるか、といったところが、自分自身の楽しみとしてやらせていただきましたけど(笑)

水口

ありがとうございます。
なので、1番最初に使った麺と今の麺って変わりましたよね。

酒井

変わりましたよね。水口さんのスープって、いわゆる一般的な中華麺扱ってるラーメン屋さんとまたちょっと違って、「和の深み」というかね、1番初めに食べたときに感じて。
そういったところで私も色々刺激されて、また麺を違った形でご提案をさせてもらったかなっていう。

画像提供:麺屋東雲

水口

最初、僕のイメージで「全粒粉入りのちょっとポツプツ茶色が見えるような麺」って言ってたんですけど、その後社長から提案していただいた…

酒井

そうですね、石臼引きの方にして、

水口

はい。あっちにしてからもっと評判良くなったんで。

酒井

よかったです。
脇役の高級感というか、そんなような意識で作らせてもらったんですよね。だから絡みすぎちゃってもいけないし。

水口

うんうん。

酒井

丁度いい塩梅のところを探しながら。
そういった意味でもあの石臼引きの、気持ちその“ザラ感”というかね、出るところで絡みすぎないところもいいのかなと思ってね。

水口

はい。

酒井

もう麺開発に関しては本当にラーメンに寄せるというより、料理に寄せるという感覚ですよね。

ラーメンに新しい概念を投げかけている印象

酒井

料理ですね。

水口

本当にそういうのを、全部ぶっ壊したいなとは思ってます。

酒井

うんうん。

水口

ラーメン屋というイメージを全部変えちゃいたいなと思っていて。
もっとこのエリアの料理もそうですし、飲食のレベルを全体的に底上げできたらいいなと思っていて。

酒井

なるほどなるほど。

水口

うちができたタイミングで、ちょっと後に麒麟児(佐久店)さんもできたじゃないですか?

酒井

そうですね。できましたね。

水口

あれはいい感じで僕の中ではタイミングバッチリで。
ここら辺のラーメン屋の意識というか上げるには、いい底上げができたんじゃないかなと思っていて。

酒井

なるほど。

水口

ちょっと新しい風を吹かせて、ラーメンって こってりばっかじゃないよ。っていうのが丁度いいタイミングで、できたかなとは思っています。

鯛だしラーメンについて

水口

簡単に言うと、鯛の潮汁をイメージしてもらえるといいのかなと思っていて。
鯛の潮汁から始まって鯛茶漬けまで僕の中で繋がっていくんですよね。

画像提供:麺屋東雲

酒井

うん。

水口

ちょっとこれをラーメンで表現しつつ、お茶漬けまで行けたら楽しみが増えるし
そういうことをやっているところが、なかなか無いかなって。

酒井

はいはいはい。

水口

一つ飛び抜けたものを何か考えなきゃいけないなっていうところで、たどり着いたのがそこですね。

酒井

水口さん、ラーメンだけじゃなくて日本酒もね、

水口

そうですね、店開けてからですね。
最初はそこまで考えてなくて、ビジネスホテルが多いのでそういう客層だろうなという想像で、日本酒と地ワインだったりとか、少しずつ置いてはいたんですけど。

酒井

はい。

水口

常連さんが付く中で、同じお酒ばっか置いてたら飽きるじゃないですか?
なので、珍しいお酒とかをちょっとずつ入れ始めたら結構ウケが良くて。

酒井

なるほどねぇ。

水口

そして、すぐそこにある居酒屋さんの影響も受けつつ「最近日本酒がちょっとハマり始めていて」みたいな話をしたら、色々教えてくれるので自分も飲んでみたり(笑)

酒井

東雲さんのラーメンに合いますもんね、日本酒ね(笑)

水口

はい(笑)
それは、よく言っていただけますね。感覚で言えば蕎麦屋行ったら日本酒みたいな感覚に近いんですよね。

酒井

うんうん。

信州酒井製麺を選び続ける理由

水口

気さくな方で すごい話しやすくて。僕はすごい良かったなと思っています。最初はすごいビビっていましたけど(笑)

酒井

敷居高かったですか(笑)?

水口

受け入れてくれるかな?「お前なんか!」ってやられないかなみたいな(笑)
「そんな何も知らない奴の店にうちは麺を卸すもんか」って言われるかもしれない、とは若干思いましたけど(笑)

酒井

(笑)

水口

でも、小ロットから受けますという言葉がちょっと安心感はありましたね。
どこまで対応してくれるか、まず聞いてみなきゃ分からないと思って。そんな感じでしたね

酒井

ありがとうございます。

水口

僕もいろいろ麺屋さんどこにしたらいいか、すごい考えましたけど、まず電話してみる。
とりあえず一回話してみるのが、自分の想いとか、イメージとかをまず伝えるところから始まるとは思うんですよね。

人の評判を聞いて、どこがいいどこがいいとか、一応自分もそういうふうにはしたんですけど。結局は、話をしてみないと。

酒井

そこで感覚的に合うか合わないかっていうところも分かりますもんね。

水口

まず話さないと分からないですからね。

酒井

ですよね。

水口

すごい助かっていますし、夏場に限定麺やりたいって言ったときも、すぐにサンプル作ってくれて、対応がすごい良かったし。僕も裏切っちゃいけないなという想いもあるし。

なのでラーメンを作るときは、いつも背筋を正したような気持ちで。僕だけじゃなくて酒井さんも背負っているし。

何かあっちゃいけないなと思って、やらせていただいております。

酒井

本日はお時間いただいてありがとうございました。
引き続き、よろしくお願いします!

水口

こちらこそ、よろしくお願いします!

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